所 在 地 :千葉県習志野市
竣 工 年 :2021年10月
用 途 :戸建て住宅
延べ 面積: 57.66㎡程度
建築 面積: 49.03㎡程度
構造/階数:木造2階建
構造 設計:株式会社 山脇克彦建築構造設計
施 工:有限会社 島田建設
竣工 写真:中村 絵
習志野市の谷津にある古くからの住宅地、現在両親が居住されている家の敷地の一部に楽器演奏が可能な小さな家(小屋)を建てるという計画です。
フルート奏者である建主は、ある程度の気積があり響きの残る演奏空間を望まれました。
3つのパーツから構成され、また3点支持で奏でるフルートなどにヒントを得て、三角形4つからなる平面と周りの住宅地への圧迫感がないように道に対して大きな勾配を持つ三つの面からなる屋根で構成された建物を提案しました。
また、三角形を組み合わせた平面形状と屋根の架構を合致させ、演奏空間となるリビングは南側によせて、フラッターエコーを生じさせないよう対面する壁が並行とならない五角形としています。
東側の母屋の庭を共有できる位置には明るい休憩スペースを配置、その上部には演奏空間を見下ろせる屋根裏のようなロフト状空間を設け、そこへの階段は存在感を小さくすべく段板だけでの構成としています。
屋根合板、三角フレームの梁、垂木は表して極力限られた空間の中での気積を確保しつつ、2×8材の垂木は梁間が大きな部分を密、そうでない部分を疎とする原則の中でゆらぎのあるランダム配置に、反射音を拡散させるとともに家全体が木製楽器のようなイメージとなることを意図しました。
幼いころからフルートと共に歩み、音楽を通して社会貢献や活動のすそ野を広げる音楽家の、新たな拠点として今後更なる発信力と継続力をもち、日々の活動が緩やか開かれ育まれていく場となっていってくれたと思います。
(第29回千葉県建築文化賞受賞)
建築設計ユニット KtM:神成建築計画事務所とMiu建築工房の協働
構造設計:(株)山脇克彦建築構造設計