T大学 研究棟

所 在 地  :千葉県千葉市若葉区
竣 工 年  :2007年10月
用   途:大学
延べ 面積:2,354.45㎡
建築 面積:  736.97㎡
構造/階数:RC造一部S造/4F+PH

<T大学研究棟>

 千葉市若葉区の研究学園都市とよばれる地域にある情報系の四年制大学。自然が多く残り、戸建て住宅や民間研究施設などが周辺の街並みを作っている。

 新研究棟は正門の真っ正面に配置し、敷地内の並木を活かしつつ、四方表裏のない開放的なファサードとすることにより、この建物がキャンパスの中心で明るさと賑わいを創出出来るような仕組みを考えた。

 次に、研究の質を高めるには、学生同士・教員との交流から生まれる意見交換や、発想・視点の転換ができる仕掛けが必要と考え、研究活動におけるアクティブな部分に徹底的に効果を求めた研究棟にしようと考えた。
 教員研究室と学生研究室を隣り合わせとし、また研究室間においても互いに意識し意見交換ができる環境となるよう、廊下へ気配を伝えられる間仕切りとし、研究室内でのアクティビティーが廊下、そして外部へと伝わる計画とした。共用部のホールや廊下に挟まれて位置するライトコートを介して、研究室という枠を超えて交流できる計画としたのである。

 大学側は情報系ということからパソコンの移動・更新が多く、フリーアクセスフロアー内の配線の煩雑さを嫌っていた。そこで天井からLAN配線と電源を供給できるシステムを提案し、機器移動の負担を減らした。具体的には、研究室内部の天井に流した木製ラックにLAN配線と電源を載せ、室内の自由なポイントへ供給できるようにしたのである。このラックにはシナ合板を化粧として用い、無機質なインテリアにならないように配慮した。

 外部(人・自然)との関わり合いを求めることで、研究活動の質を高める効果を狙ったのである。

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